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尾道句会(5)

尾道大学の授業での句会、5回目。

4年間、後期だけ尾道に通ってきたが、
雨に降られたのは初めてのことだった。
ずっと、「晴れ男」で通すのもなかなか難しいものである。

101221_.jpg

しかし、尾道の山々が雨に煙るのもいいものだ。
尾道水道も、雨を静かに受け入れて船が行き来する。
そんな尾道の風情も心に沁みる。

さて、堀本裕樹選の特選について触れる。


波に似た壁聳え立つ冬の底  竜巳

季語は、「冬の底」の「冬」。

孤独という言葉は使っていないが、孤独を感じさせる一句。
「波に似た壁聳え立つ」の措辞が、
津波のような大きな波を連想させる。
そんな巨大な波の壁が、「冬の底」に存在するというのだ。
何かを抱えてじっと堪えている心理が垣間見える。

「波に似た壁聳え立つ」は、
ミュージシャン・平沢進の「ソリトン」という歌の歌詞を少しアレンジし、
本歌取りしたという作者。

平沢進も「ソリトン」も知らなかったので聴いてみたが、
テクノを駆使した楽曲と坦々と歌う声が印象的だった。

歌詞を本歌取りするのは、善し悪しだが、
今回はよしとしよう。
「冬の底」の下五の季語が利いている。


越えられぬ時を知りたる凍て蝶や  桃

季語は「凍て蝶」(いてちょう)で、冬。

凍て蝶の諦観と呼べばいいのだろうか。
静かに止まる冬の蝶の、か弱いながらも覚悟を決めたような、
そんな存在感が伝わってくる一句である。

筒井康隆の小説で「時をかける少女」というのがあるが、
実際は「時をかける」ことも「時を越える」こともできない。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もできないから、
余計に人間は、SFファンタジーとして、時空に憧れを持つ。

掲句の「凍て蝶」はそこを悟っているのだ。
そういうふうに観た作者の眼も哲学的である。


凍蝶を捕まへし子の法医学  竜矢

季語は「凍蝶」で、冬。

この句を読んですぐに思い浮かんだのが、
寺山修司の一句「法医學・櫻・暗黒・父・自涜」だった。
ぽんぽんと名詞を置いていったリズミカルな句だが、
内容はなかなか深くて手強い。

作者も寺山修司が好きだと話してくれたが、
「凍蝶」を捕まえた子どもが、
その蝶に対してどのような法医学を考え施すのか、
少し不気味でもあり、ミステリアスでもある。

「子どもの残酷性」といってしまえば、通俗的かもしれないが、
幼いころ、無闇に虫や生き物を殺してしまい、
良心の呵責を感じながらも遊び続けた思い出が蘇ってきた。
今回の句会で、真っ先に特選にした一句である。

さて、今年最後の尾道句会も無事に終えた。

次の句会は、来年1月。新年句会だ。
兼題は、「元日」「雑煮」、他自由題。

101221_2.jpg

大学は早くも休みに入るという。
クリスマスを過ぎるとあっという間に正月だ。
みんな、それぞれの故郷で精気を養ってくることだろう。

彫刻の拳ひらけよ雪もよひ  裕樹


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第一句集「熊野曼陀羅」

北斗賞受賞作含む302句収録

堀本裕樹初の句集が発売。
帯文執筆は中上紀氏、
序文は鎌田東二氏。

プロフィール

堀本裕樹

Author:堀本裕樹
堀本裕樹(ほりもとゆうき)
1974年,和歌山県出身/國學院大学卒。俳誌「梓」同人。第2回北斗賞受賞(文學の森主催)。いるか句会・たんぽぽ句会主宰。俳人協会会員。池袋コミュニティカレッジ講師。実践女子学園生涯学習センター講師。角川庭園・すぎなみ詩歌館講師。「すばる」(集英社)にて、ピース・又吉直樹氏と連載中。「マネーポスト」(小学館)にて連載中。著書:「十七音の海 俳句という詩にめぐり逢う」。句集:「熊野曼陀羅」


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